第8回福岡県ゆかりの詩人を語る会

8月3日(日)に、福岡県詩人会と野田宇太郎文学資料館主催による

「第8回福岡県ゆかりの詩人を語る会"抒情詩人各務章(かがみあきら)を偲ぶ"」

が、小郡市生涯学習センターにて開催されました。

当日は、午前中に降っていた雨も午後には何とか上がり、約20名の方にご参加いただきました。

各務章先生は、大正14(1925)年生まれで、詩人としての活動のみならず、教育者としても

優れた実績を残されました。

同人誌「異神(いしん)」の主宰で、

『遠い声近い声』(2002年、木星舎)、『片方の手袋』(2010年、書肆侃侃房)

等多くの著書があります。

平成24(2012)年にご逝去されましたが、いまなお、その作品は多くの方に愛されています。

当日の資料です。

詩人会の皆さんに朗読していただく詩を載せた資料や、

「詩人各務章先生を偲び思い出を語る」として、

講師の椎窓猛(しいまどたけし)先生がご用意くださった

分りやすいレジュメもあります。

まず初めに、詩人である椎窓猛先生に、お話をいただきました。

椎窓先生は、詩人としての活動ばかりでなく、教育者としても、

また経営者としても多彩な才能を発揮された各務先生の活動を

ご自身の思い出とともに語られました。

詩人という姿が根本にあったからこそ、様々な分野で優れた

業績を残されたとおっしゃっていらしたのが印象的でした。

最後に、各務章先生の詩の中から「ふる里の道」という詩を

お読みになりました。

時折笑いも交えながらの、とても素敵なお話でした。

福岡県詩人会の田中圭介氏の素晴らしい司会のもと、

詩人会の皆さんに、それぞれ各務章先生の思い出と詩を

読んでいただきました。

福岡大空襲前後の各務先生の同人活動について語られた方や、

詩の特徴を促音便(そくおんびん)の多用という面に注目された方

など、多くのお話がありました。

皆さんの思い出から、いかに各務先生が慕われる方で

あったかということが伝ってきました。

さらに、3名の方に飛び入りで参加いただき、

各務先生の思い出や詩の朗読をしていただきました。

自作の詩を読んでくださった方もいらっしゃいました。

こちらは、なんと各務先生の自筆の詩稿ノートです。

今回の催しに合わせて、各務先生と親交のあった

詩人会の方がお持ちくださいました。

上の写真(詩稿ノート)の表紙です。

各務先生の手作りだろうということでした。

落ち着いた色合いのお洒落なデザインです。

この他にも沢山原稿類をお持ちいただき、皆さんで

自由にご覧いただけるよう、会場内に展示されていました。

貴重な物をありがとうございました。

各務先生の思い出を語られるとき、「人は2度死ぬ」というある人の言葉を引用して、

お話をされた方がいらっしゃいました。

1度目は肉体の死、2度目の死は、その人が忘れされられた時だと。

だから、偲ぶ会には意味があるのだとおっしゃった言葉はその通りだと思いました。

詩人会の皆さま、ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。