企画展「野田宇太郎の美術散歩」の展示紹介B 

前回の展示紹介に引き続き、企画展「野田宇太郎の美術散歩」のご案内をします。

石井柏亭(いしい はくてい)のコーナーです。

石井柏亭(1882〜1958)は、洋画家、詩人です。

美術雑誌「方寸」を編集した石井は、パンの会のメンバーでもありました。

こちらでは、野田が所蔵していた石井柏亭の著書や葉書を中心に

展示をしています。

また、「東京十二景」という石井柏亭図案の版画もあります。

併せて「方寸」と、「方寸」に関する野田の記述物もご紹介しています。

児島喜久雄(こじま きくお)の展示です。

児島喜久雄(1887〜1950)は、画家、西洋美術史家、

そして教育者でもあった人物です。

児島の著書の他、児島が描いた雑誌の表紙 などがあります。

なかでも、興味深いものとして、児島喜久雄が所蔵していたと

思われる本に描かれたスケッチなどを展示しています。

宮芳平(みや よしへい)の展示です。

宮芳平(1893〜1971)は、高校で美術教師をしながら絵を描いていた

洋画家です。

宮は森鴎外短編小説「天寵(てんちょう)」の主人公のモデルでした。

野田宇太郎の依頼で実現した「文学散歩」に掲載された宮の手記の他に、

野田宛てに送られた手紙や葉書を多く並べています。

宮の字はきっちりした楷書なので、とても読みやすいです。

曽宮一念(そみや いちねん)の展示です。

曽宮一念(1893〜1994)は、洋画家、随筆家です。

70代後半で失明をした後は、随筆など文筆活動に専念するように

なりました。

著書も多く、このコーナーでは、曽宮の著書と、手紙・葉書をメインに

展示をしています。

曽宮も筆まめだったらしく、数多くの手紙が野田の元に残されています。

高村光太郎(たかむら こうたろう)、

富本憲吉(とみもと けんきち)の展示です。

高村光太郎(1883〜1956)は、詩人・彫刻家で、

富本憲吉(1886〜1963)は陶芸家です。

高村光太郎はパンの会の参加メンバーでもありました。

高村や富本の著書の他、高村光太郎の葉書、富本憲吉の手紙を

展示しています。

鱸利彦(すずき としひこ、1894〜1993)、

高畠達四郎(たかばたけ たつしろう、1895〜1976)の展示です。

2人とも洋画家で、特に鱸利彦の油絵「蘆花の家」は、野田の家の

玄関に飾られていたと言います。

鱸や高畠の絵や手紙などを中心にご紹介しています。

この他にも、「文藝」や「藝林フ歩」で野田と交流のあった画家や、故郷の画家などをご紹介しています。

今回ご紹介したのは展示のわずかな部分です。

企画展「野田宇太郎の美術散歩」は、2月7日(日)まで開催しています。

ぜひ、本物の作品の魅力に触れに、野田宇太郎文学資料館にお越し下さい。

皆様のご来館を心よりお待ちしております。