11月の展示替えを行いました その1(11/17まで)

11月3日(月・祝)の家読講演会「画家の装幀」に合わせて、野田宇太郎資料館でも装幀の美しい本を展示しました。

当初は10月30日〜11月3日までの期間限定展示の予定だったのですが、

ご来館いただいたお客様から、「もう一度見たい」「友人を連れてまた来たい」とのありがたいお声を

いくつもいただいたので、急遽、展示品を半数ほど入れ替え

「続・画家の装幀」として、展示期間を2週間延長いたしました。

「画家の装幀」のタイトル通り、画家たちが装幀を手掛けた本を、壁面展示コーナーと、

のぞきケースでご紹介しています。

現在の壁面展示コーナーです。

装幀家としても有名な恩地孝四郎(1891〜1955)の本や、

美装本の出版で名を馳せた第一書房の本を展示しています。

中央の本は谷崎潤一郎(1885〜1965)の『鍵』で

棟方志功(1882〜1974)が装幀を担当しています。

こちらは、10月30日〜11月3日の間の展示です。

間違い探しのようですが、作品の状態を踏まえ、

中央と左側の作品の大半を入れ替えました。

さきほどの写真の中央部分です。

与謝野晶子(1878〜1942)の『新訳源氏物語』です。

与謝野晶子は装幀にこだわった作家で、美しい装幀の本が

多いのですが、その中でもこちらは格別です。

洋画家の中澤弘光(1874〜1964)が装幀を担当した本です。

とにかく色鮮やかで、どこを開いても美しい色にため息がでるほどです。

ここでは、竹久夢二(1884〜1934)や東郷青児(1897〜1978)が

装幀をした本などをご紹介しています。

夢二や青児は、それぞれの特徴とする女性像が表紙に

描かれていますので、一目ですぐ分かると思います。

なお、11月3日の講演会は、わずかですが、

会場に当館の所蔵の本を展示しました。

以前の展示替え記事でご紹介した第一書房の

『萩原朔太郎詩集』などをこちらに展示しました。

今回展示している作品には、紙だけでなく、布や革など様々な素材で作られたものもあります。

その質感の違いなどにも注目して見ていただくのも面白いと思います。

また、他にも岸田劉生(1891〜1921)、岡田三郎助(1869〜1939)など著名な画家の装幀本を

多数展示しています。

これだけの本を一度にご覧いただく機会は、当分の間予定しておりませんので、

ぜひ野田宇太郎資料館へ足をお運びください。

展示期間は11月16日(日)までです。 ご来館を心よりお待ちしています。