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野田宇太郎文学資料館企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者―」展示紹介③

野田宇太郎文学資料館企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者―」展示紹介③

現在開催中の野田宇太郎文学資料館企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者―」の展示のご紹介です。

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展示室(第三壁面)の様子⓵

前回は、蒲原有明に影響を受けた詩人の展示を写真でご案内しましたが、このコーナーから、話は、また蒲原有明へと戻ります。象徴詩の完成者として一躍時代の寵児となった蒲原でしたが、自然主義の流行によって、その立場は一転します。ここでは、中央の詩壇から離れて行く蒲原有明の様子を解説するとともに、第4詩集『有明集』や、三木露風・北原白秋らと参加したマンダラ詩社の『マンダラ』などを展示しています。

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展示室(第三壁面)の様子②

この3枚のパネルでは、野田宇太郎と蒲原有明との出会い、二人の交流、そして、野田宇太郎の蒲原への想いが分かる資料を展示しています。ここでは、蒲原が寄稿した野田宇太郎編集雑誌「藝林閒歩(げいりんかんぽ)」や、野田宇太郎が蒲原について書いた切抜を中心に展示をしています。また、蒲原有明が"こけのやまがらす"という名前で発表した最後の詩稿「山姥(ものろおぐ)」や、絶筆「鋭い剖析(ぼうせき)のメスを豫想(よそう)しつつ」といった貴重な資料もあります。

蒲原の死後、その顕彰活動に尽力した野田は、蒲原有明の功績を広めるため、様々な雑誌に寄稿をしています。実は、野田が蒲原について書いた文章は展示スペースに収まり切れないほどあるのですが、そのなかからいくつかの切抜を選んでご紹介をしています。

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展示室(第三壁面)の様子③

こちらが最後のコーナーです。蒲原有明と交流のあった人物の中でも、蒲原に大きな影響を与えた島崎藤村(しまざき とうそん)、岩野泡鳴(いわの ほうめい)、青木繁(あおき しげる)の三人をご紹介しています。なかでも、青木繁の絵画から受けた刺激は強く、蒲原は青木繁の代表作「海の幸」について詩を書いているほどです。ここでは、蒲原がそれぞれの人物について書いた文章の切抜を中心に展示をしています。

企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者―」も11月29日(火)までと、残すところあとわずかとなりました。11月19日(土)には、記念講演会も予定しています。当日の参加も受け付けておりますので、どうぞお越しください。

特別企画の清家雪子先生の描き下ろし漫画を、まだご覧になっていらっしゃらない方はぜひ、当館にお越しください。先生のコメントも展示しています。この貴重な機会をお見逃しなく!

皆様のご来館を心よりお待ちしております。