メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

野田宇太郎文学資料館企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者」展示紹介①

野田宇太郎文学資料館企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者」展示紹介①

現在開催中の野田宇太郎文学資料館企画展「蒲原有明―近代詩の先駆者―」の全体の展示を、写真で少しずつご紹介していきます。

蒲原有明①.JPG

展示室(第1壁面)の様子

展示室は、蒲原有明の生涯を時系列で追う形で解説をしています。上の写真は、蒲原有明の生い立ちや、青年時代の様子、文壇に登場した頃までの展示です。蒲原有明自身が持っていた雑誌の切抜や、野田宇太郎が蒲原有明について書いた新聞の切抜などが中心です。また、蒲原が子供の頃に読んで影響を受けた『新体詩歌(しんたいしいか)』や『蓬莱曲(ほうらいきょく)』の他、野田宇太郎が写筆した蒲原有明の「耶馬渓」の原稿などもあります。

蒲原有明②.JPG展示室(第1壁面)の様子

こちらは、詩人として出発した頃の蒲原有明をご紹介する資料です。蒲原の第一詩集『草わかば』、第二詩集『獨絃哀歌(どくげんあいか)』、第三詩集『春鳥集』までを展示しています。蒲原有明が選者を務めていた雑誌「新声」や、寄稿していた雑誌「明星」の他、美術史家・岩村透(いわむらとおる)が蒲原有明に宛てた葉書にも注目です。 
蒲原有明は、詩人、画家のロセッティに傾倒し、ロセッティの詩集を所有していた岩村透の家に詩集を読むために、通っていました。自分の蔵書をいつでも読みに来て良い、と岩村が快く承諾している様子が葉書から窺えます。

茉莉花.JPG

展示室(第2壁面)の様子

こちらでは、蒲原有明の詩をパネルや切抜でいくつかご紹介しています。「茉莉花(まつりか)」、「呉須(ごす)の匂ひ」、「菱の實採るは誰が子ぞや」などの代表作が中心です。難解と言われた蒲原の詩ですが、口に出して詠んでみると、驚くほど耳に心地よいリズムで形作られていることに気づきます。ぜひ、展示室で口ずさんでみて下さい。

今回ご紹介した部分は展示の三分の一ほどです。次回は、蒲原有明に影響を受けた詩人たちについてご紹介します。どうぞお楽しみに!
10月4日(火)に、展示室を臨時休館して一部展示を入れ替えます。10月8日(土)には、ギャラリートークも行いますので、ぜひお越しください。皆様のご来館を心よりお待ちしております。