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ギャラリートークを開催しました(9月28日)

野田宇太郎文学資料館では、令和元年度企画展「野田宇太郎とキリシタン文学」を開催中です。
9月28日(土)、専門員によるギャラリートークを行いました。

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野田宇太郎は、たくさんのキリシタン関係の本を所蔵していましたが、キリシタンに興味を持ったきっかけは、木下杢太郎(きのした もくたろう:1885年~1945年)の存在です。詩人であり、医学者であり、美術にも優れた功績を遺す木下杢太郎ですが、キリシタン研究家という一面も持っていました。

グワルチェリ『遣欧使者記(ヴェネチア版)』(1586年) (640x328).jpgこちらは、現在展示している野田の蔵書Gualtieri(グアルチェリ)著『Relationi della venuta degli ambasciatori giaponesi』です。16世紀にイタリアのベネチアで刊行されたもので、1585年頃、ローマを訪問した天正遣欧少年使節についての報告書です。教皇の側近グアルチェリが執筆しました。
1968年、野田はこの本を古書店から購入しました。その理由を「木下杢太郎の記念のためなり」と、保管用の函(はこ)に墨書きしています。木下杢太郎がこの本を邦訳し、『日本遣欧使者記』(1927年 岩波書店)として出版していたからです。
『日本遣欧使者記』を読んで、キリシタン史や天正遣欧少年使節の旅に魅せられた野田は、『少年使節 ―天正遣欧使節旅行記―』(1949年 桐書房)などを執筆しています。

今企画展2回目のギャラリートークを11月16日(土)14時から開催します。予約等は不要です。どうぞ、野田宇太郎文学資料館までお出かけください。