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ギャラリートークを開催しました(11月16日)

11月16日(土)に企画展ギャラリートークを開催しました。

ギャラリートークの様子(2019.11.16).JPG

ギャラリートークでは、展示スペースの都合上、パネル等で説明できなかったことを中心にお話ししています。

野田宇太郎『少年使節』S24.5(初)‐表紙.JPG

こちらは野田の著書『少年使節 ―天正遣欧使節旅行記―』(1949年 桐書房)です。

天正10(1582)年、九州のキリシタン大名の使節として初めてヨーロッパを公式訪問し、ローマ法王に謁見した「天正遣欧少年使節」について書いた、児童向けの物語です。
野田は、キリシタン史のなかでも、天正遣欧少年使節に強く魅了されていました。

後年、取材でヨーロッパを旅した時は、ローマのヴァチカンを訪れ、少年使節に思いを馳せています。この取材旅行は「ヨーロッパ文学の旅」として新聞に連載されますが、この連載から少年使節に関する部分をまとめ、加筆修正して、『羅馬(ローマ)の虹 天正使節の旅を南欧に拾ふ』として自家出版するほど思い入れがあるものでした。

野田宇太郎『羅馬の虹』S45.10ーセット表.JPG

      『羅馬の虹 天正使節の旅を南欧に拾ふ』(1970年 芽起庵)

なぜ、そこまでに少年使節に魅了されたのか、野田が初めて少年使節について出版した著書『天正の少年遣欧使節』にその理由がありました。

野田宇太郎『天正の少年遣欧使節』S24.6(初)‐表紙.JPG

          『天正の少年遣欧使節』(1949年 白鯨社)

この本の「まえがき」で、野田は「天正遣欧使節旅行記は、実在であり真実であるが故に詩的価値を持つ珠玉の如き歴史の一頁である。(中略)私自身の一つの詩としてこのキリシタン史への感動を綴ったのがこの小册である」と書いています。
野田は、詩を綴る思いで天正遣欧少年使節の旅を書いていたのです。


職員によるギャラリートークは、残すところあと1回です。次回は、12月14日(土)14時から開催します。予約不要ですので、どうぞお気軽に野田宇太郎文学資料館へお出かけください。