常設展の展示替をしました~「作家たちのデビュー作」~ 2016年4月
常設展の展示替をしました~「作家たちのデビュー作」~
4月5日(火)より常設展の一部を替えました。
中央展示コーナー、のぞきケース、壁面展示コーナーで、「作家たちのデビュー作」特集をしています。小説家や詩人たちが最初に出版した本を展示し、壁面展示コーナーでは本の中から特徴的な一文を抜き出したパネルを掲示しています。
(壁面展示コーナーの様子)
展示している作品と作家から、今回は梶井基次郎(かじい もとじろう、1901~1932)について紹介します。
桜が美しい季節ですが、有名な「桜の樹の下には死体が埋(うづ)まつてゐる!」という一文は、梶井基次郎の短編集『檸檬(れもん)』に収載されている「桜の樹の下には」のものです。
梶井基次郎は青森県出身の小説家です。若いころ肺結核にかかり、31歳で亡くなったため、生前に刊行されたのは『檸檬』のみでした。この本は、同人誌の仲間である詩人・三好達治(みよし たつじ、1900~1964)らの尽力により発行されました。
野田宇太郎は、『文学散歩 9』(文一総合出版)の中で「作家というよりもその資質は詩人であった」と、梶井を評価しています。梶井が短い活動期の中で残した作品は多くありませんが、それらは今も多くの人を引き付けています。
この特集展示は、4月5日(火)から5月1日(日)までです。皆様のご来館をお待ちしています。