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常設展の展示替をしました ~「北原白秋~子供の瞳~」~2016年5月

常設展の展示替をしました ~「北原白秋~子供の瞳~」~

 5月3日(火)より常設展の一部を替えました。

 中央展示コーナー、のぞきケース、壁面展示コーナーで、「北原白秋~子供の瞳~」特集をしています。福岡県柳川市出身の詩人・北原白秋(きたはら はくしゅう 1885~1942)が、子供のために書いた作品を中心に展示しています。

 詩聖と称えられた北原白秋ですが、童謡を作るだけでなく、創作指導や童謡の収集にも情熱を注ぎました。
 児童文学誌「赤い鳥」では、創作童謡の発表に加えて、投稿された児童自由詩の指導を担当しています。児童自由詩とは、子供自身が作った口語自由詩のことです。白秋は、古い子守歌や遊び歌も募集し、地方に伝わる童謡を収集しました。
 野田宇太郎は「赤い鳥」における白秋の業績を、「現代童謡の黎明(れいめい)を告げる記念塔でもある」(『文学散歩 8』 文一総合出版)と称えています。

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   右:「赤い鳥 第1巻第1号」[大正7(1918)年7月 赤い鳥社]
    左:「赤い鳥 第14巻第1号」[大正14(1925)年1月 赤い鳥社]

 
白秋は、雑誌「コドモノクニ」でも、幼児詩の普及に努めました。幼児詩とは、まだ字を書けない子供が口にした言葉を、大人たちが書きとめたものです。白秋は「幼児こそ、生のままの詩人であるとも言えます」と、子供たちの感性を評価していました。

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           北原白秋 編『日本幼児詩集』[昭和7(1932)年4月 采文閣]

 『日本幼児詩集』は、雑誌「コドモノクニ」に掲載された作品を中心に、白秋が集めた幼児詩をまとめた本です。この本には、白秋自身がわが子の呟きを書きとめた作品も多く収載されています。白秋の子供に対する優しいまなざしが感じられます。

 この特集展示は、5月3日(火)から6月5日(日)までです。皆様のご来館をお待ちしています。