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常設展の展示替をしました~「野田宇太郎 ふるさとの思い出」~2021年4月

テーマ展示「野田宇太郎 ふるさとの思い出」

2021年4月7日に展示替えを行いました。
当館では常設展の一部を定期的に替え、テーマ展示を行っています。
4月のテーマ展示は「野田宇太郎 ふるさとの思い出」です。

野田宇太郎は明治42(1909)年、福岡県小郡市松崎に生まれました。裕福な家庭の一人息子として生れましたが、大正5(1916)年に母を亡くし、昭和2(1927)年には父を亡くしています。そして、詩人や編集者として活動する中で故郷である松崎を離れましたが、父母のこと、そして生まれ育った松崎のことを折に触れては思い出していたようで、複数の作品でふるさとのことについて書いています。


今回は、野田がどのようにふるさとを思っていたかに焦点を当て、野田の作品とともにご紹介します。

DSC04015.JPG上の写真はステージケースの様子です。こちらで、野田宇太郎の詩「稲妻」の自筆原稿を展示しています。

野田の生まれ故郷松崎は江戸時代に宿場町として栄えた場所で、宿場町に見られる敵の侵入を妨害するために街道をわざと二度直角に曲げる「枡形(ますがた)」という構造が、町並みとして残っています。この町並みのことを野田は「稲妻形」と表現しました。また、郷愁を感じることを「稲妻が走る」とも表現しています。詩の表題ともなっている「稲妻」は野田にとって故郷を表す言葉だったのでしょう。

DSC04009.png上の写真は昨年度新規に受け入れた『板画新日本百景』(昭和39[1964]年5月 共同通信社開発局)です。

展示室入って右手奥の角の展示スペースに展示しています。『板画新日本百景』は、100カ所の日本の景勝地を版画とともに野田の解説で紹介している図書です。版画は棟方志功をはじめとした版画家が担当しています。
弘前城の桜から松崎の桜馬場を連想するなど、遠く離れた場所にあっても野田は故郷を想起していました。

 

テーマ展示「野田宇太郎 ふるさとの思い出」は5月11日(火)までの展示です。
今年度も引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、館内では手指の消毒・咳エチケットなどをお願いしています(詳細はこちら)。ご来館の際は、どうぞ体調に気をつけてお越しください。

 

お問い合わせ

野田宇太郎文学資料館
電話番号:0942-72-7477