常設展の展示替をしました~【博物館明治村と小泉八雲】~2026年1月・2月
今回のテーマ展示は、「博物館明治村と小泉八雲」です。
「博物館明治村」とは、明治建築の保存展示を目的として1965年に愛知県犬山市に開村した野外博物館です。野田宇太郎は立ち上げ当初の1962年から常務理事として深く関わりました。
1951年から文学散歩のために全国を調査していた野田は、文学的に重要な建物が老朽化していくのを嘆いており、何度も保存の必要性を訴えていました。その折に協力を求められた博物館明治村の活動に、野田は情熱を注ぎました。
今回の展示では、【壁面展示】で博物館明治村の貴重な建造物を紹介します。
【のぞきケース】では、「小泉八雲の避暑の家」が明治村に移築されているのにちなみ、野田が所蔵する八雲関係の資料を展示します。
・ステージケース(資料館展示室正面)
【小泉八雲全集 第1巻・第8巻】
野田が所蔵していた「小泉八雲全集」(昭和12(1937)年4月・1月 第一書房)の第8巻、八雲の代表作「怪談」部分を開いて展示しています。
また、第一書房らしい美しい布張りの装幀をご覧いただくため、第1巻を閉じた状態で展示しています。
この装幀は、4種類出版された八雲全集のうち「家庭版」と呼ばれる版のものです。
・壁面
【「博物館明治村」と野田宇太郎の仕事について】
野田宇太郎は、博物館明治村の常務理事として精力的に活動しました。
その結果、文学者ゆかりの貴重な建物が多く明治村に移築されました。
この展示では「森鷗外・夏目漱石住宅」「幸田露伴住宅『蝸牛庵』」「西園寺公望別邸『坐漁荘』」「小泉八雲の避暑の家」「清水医院」(島崎藤村の小説「ある女の生涯」ゆかりの建物)「本郷喜之床」(石川啄木が住んだ家)を紹介しています。
・のぞきケース(電照パネル裏)
【野田宇太郎所蔵 小泉八雲関連資料】
この展示では、野田宇太郎が所蔵していた小泉八雲の資料を展示しています。
小泉八雲は1904年没、野田は1909年生まれなので、直接の交流はありません。
野田が雑誌に書いた記事「異邦人八雲」(昭36 アイデア「くうりえ」25号)では、野田が中学時代、小泉八雲の文学に傾倒していたことや、八雲が「旅をして、文学の影を追うよろこびを、はじめてわたくしに教えてくれた」ことなど、野田の八雲に対する思いを知ることができます。
また、野田の別の記事「神様の村の手紙」(昭38 人物往来社「歴史読本」3月号)では、小泉八雲にとって「神様の村」である、静岡県焼津について紹介しています。
八雲が焼津を訪れる際に寄宿していた魚商、山口乙吉の孫の家に伝わる八雲とセツ夫人の手紙を引用し、最後に「これを読んで、わたくしは、異邦人八雲を最愛の夫とした日本の明治女性節子をよく知ることこそ、今後の小泉八雲研究の課題だと思った」と野田は述べています。
この他にも、焼津にあった「小泉八雲の避暑の家」を明治村に移築する際に製作されたと思われる「小泉八雲滞在の家建物図面」も展示しており、野田と八雲の繋がりを感じていただける展示となっています。
【2026.2.10 H】