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常設展の展示替をしました~【夏の訪れを感じる。】~2024年6・7月

2024年6月20日に常設展の展示替を行いました。

7月7日は五節句のひとつ「七夕」です。
七夕は星祭りとも呼ばれ、旧暦の7月7日に行われてきました(今年は8月10日が旧暦の七夕にあたります)。
小郡市には、市内を流れる宝満川をはさんで、機織りの女神・機女神をまつる七夕神社と、犬飼神(彦星のこと)を合祀する稲吉老松神社があります。
これが、天の川をはさんだ彦星と織姫のようであることから「七夕の里おごおり」としてまちづくりが行われています。

今回の展示は、小郡市が所蔵している七夕を描いた浮世絵や、初夏・夏の風物が出てくる野田宇太郎の詩のパネルなど、夏の訪れを感じてもらえるような内容となっています。

【ステージケース】
まず、資料館入って正面のステージケースでは、野田宇太郎の直筆詩稿「ほたる」を展示しています。
「ほたる」は、戦後間もない昭和21(1946)年に野田が出した第6詩集『感情』に収載されている詩です。
「ふるさとの小川」に舞うほたるを追いかける、野田の子ども時代を詠んだと思われる詩です。

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野田宇太郎直筆詩稿「ほたる」

【のぞきケース】
ステージケース裏ののぞきケース上の壁面では、野田の詩のなかから初夏や夏の風物が出てくるものを選んでパネルで展示しています。
「驟雨(しゅうう)」「宵待草」「ほたる」「すすけた常夜燈のうた」「合歓(ねむ)の花歌」など、資料館ではあまり紹介していない詩も多いので、この機会にぜひ触れてみてください。


のぞきケースでは、パネル展示された詩が載っている詩集『旅愁』『感情』『黄昏に』『夜の蜩(ひぐらし)』の表紙と函を展示しています。
さらに詩集『音楽』は「旅」、『菫歌(すみれうた)』は「夏」の掲載項を開いて展示しています。
詩集の紙質やデザインも相まって、より深く詩の世界観を感じることができます。

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【壁面】
資料館入って左側の壁面には、小郡市が所蔵している「七夕」を描いた浮世絵を展示しています。
(このページではじっくり見てもらえるよう、スキャナーで撮った写真を掲載しています)
下の写真左から、歌川広重「市中繁栄七夕祭」、豊原国周「開花人情鏡 官女」、楊洲 周延「千代田之大奥 七夕」、落合芳幾「五節句のうち 甲喜楼之初秋」となっています。
浮世絵は、絵師の画力や巧みな構図、彫師・摺師の確かな技術によって共同で作られる芸術作品です。
ぜひ、資料館に来館して間近でその美しさを堪能してください。 

22-17 市中繁栄七夕祭.jpg 22-16 開花人情鏡(官女).jpg 22-10 千代田之大奥(七夕).JPG 22-6 五節句のうち(甲喜楼之初秋).JPG

6・7月のテーマ展示【夏の訪れを感じる。】は7月30日(火)までの展示となります。
皆様の来館をぜひお待ちしています。 

【2024.06.21 H】