「第18回 福岡県ゆかりの詩人を語る会」を開催しました ~2026年3月8日
3月8日(日)、福岡県詩人会と野田宇太郎文学資料館の共催で<第18回福岡県ゆかりの詩人を語る会>を、小郡市生涯学習センターにて開催しました。
今年のテーマは「『戦争の詩』今、伝えたい 読みたいⅡ もういちど『戦争の詩』今、伝えたい、読みたい」です。
前半はトークイベント、後半は詩の朗読の二部構成で行われました。
(左)答礼人形 (右)講師の熊谷さん
- 第一部
小郡市のくまさん文庫主宰の熊谷きよさんが、「『青い目の人形大使と渋沢栄一』をめぐって」と題し基調講演を行われました。
講演タイトルの『青い目の人形大使と渋沢栄一』とは、講師の熊谷さんが2024年に刊行した著書名です。青い目の人形とは、1927(昭和2)年に日米友好の象徴としてアメリカから日本に贈られた人形のことで、童謡「青い眼の人形」としても有名です。12,739体の青い目の人形は、全国の幼稚園・小学校等に配られ、各地域で大歓迎されたそうです。日本からはそのお礼に各県から答礼人形(とうれいにんぎょう)という日本人形を贈り、それらはアメリカの美術館や博物館に展示されました。
しかし、アメリカとの戦争がはじまると日米友好の象徴であった青い目の人形たちは、軍部の命令により次々と破壊・燃やされていきました。そのような時代であっても、「人形に罪はない」と隠し守り継いだ人々によって生き延びた人形たちもいます。福岡県には250体の青い目の人形が寄贈され、現在は3体が残っています。今でもその青い目の人形たちは、平和の尊さを伝える存在として、各学校でとても大切に保管されているそうです。
熊谷さんは講演の中で「私が青い目の人形に心惹かれたのは、日本の平和の礎になろうとして満州で亡くなった両親と人形たちが重なったからです」と話されていたのが印象的でした。
おはなしの最後には、熊谷さんが満州で生まれ、そこで生き別れて、現在でも生存が分らない熊谷さん自身の妹さんを想って書かれた詩「妹よ」を、熊谷さん自ら朗読されました。
その後、大刀洗平和記念館「朗読部会」会長の竹中圭子さんが、熊谷さんが書かれたエッセイ「相思華」を朗読されました。エッセイ「相思華」は、満州でお互いに好意を寄せていたけれど、敗戦の混乱で離ればなれにならないといけなかった2人が、長い時を経て再び日本で会う姿と、彼岸花の別名「相思華」を重ねた話です。朗読を聞いていた参加者の中には、目に涙をうかべていた方もいました。
ウクライナに関する詩を朗読する県詩人会会員
- 第二部
福岡県詩人会の5名、大刀洗平和記念館朗読ボランティアの3名の方が戦争に関する詩の朗読をされました。
自作の詩やウクライナ侵攻を題材とした詩、野田宇太郎の詩「パコ墓地にて」(パコはフィリピンのマニラにある地名)、朝倉市出身の川崎洋子さんの詩などが朗読され、参加者は朗読に聞き入っていました。
開会直前の会場の様子
今回は55名の方にご参加いただきました。皆さま、ありがとうございました。