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推し活!?いいえ、贔屓(ひいき)です

 相撲・角力(すもう)。土俵内で、二人が組み合い、力を闘わせて、相手を倒すかまたは土俵外に出すことによって勝負を争う技(「広辞苑第七版」より)。

 こんなに心奪われることになろうとは、自分のことながら驚いています。

 スポーツ全般において、自分で競技するなどは論外で、オリンピックなどの国際大会でも結果がわかればいいや、というくらいの興味しかありません。選手が望んだような結果がでていない時には「私が応援したせいでなんか申し訳ない」と思ってしまうので、あまりのめり込まないようにしてきました。

 きっかけは、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため無観客開催となった時期のラジオ中継です。今まで聞こえなかった音に魅了されました。呼出の伸びやかな声。行司の真摯な掛け声。力士がまわしを叩く音、土俵を踏み固める音、はては頭と頭がぶつかり合う「ゴッ!」という鈍い音まで、今までとは格段に違い、迫力を増して伝わりました。アナウンサーの実況も落ち着いて聞こえ、力士の動きが想像できるようになってきました。そうなってくると、テレビ中継も見てみたくなります。親方や力士を一人二人と覚えていきます。心・技・体そろった取り組みに、贔屓の(「推し」ではなく「贔屓」と言いたい)力士ができます。呼出のそつがない動きにも惹かれます。いつも来場されているお客さんと、テレビ越しに顔なじみになります。懸賞幕の数も気になりつつ、数秒から分以上に及ぶ取り組みに、思わず手をたたき、声をあげたりしながら15日間を過ごします。次第に家族も一緒に楽しむようになってきました。

 こんなに充実した時間をくれた力士には、とにかく怪我や病気をせず、自らの力をしっかり発揮できることを祈るばかりです。それから、十一月場所へ応援に行くことを計画しています。