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「読書の秋到来!」

 厳しい暑さの夏も終わり、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。

 「スポーツの秋」「芸術の秋」「食欲の秋」「実りの秋」...。あなたの秋は、どんな秋ですか。

 図書館では、「読書の秋」に"もっと読書が楽しくなる"さまざまな催しを準備して、ご来館をお待ちしています。今回はそんな秋の催しから、「野田宇太郎生誕祭」をご紹介します。

 小郡市出身の野田宇太郎(のだ うたろう)は、明治42年生まれ。
昭和59年に亡くなるまで、詩人、出版編集者、そして「文学散歩」の創始者として活躍し、名を遺した文学者です。
文学活動の多くは東京を拠点に行われましたが、故郷に寄せる想いは強く、研究のために収集した貴重な資料は故郷で役立ててほしいとの野田の遺言によって、小郡市に寄贈されました。
この寄贈がきっかけで、資料を保存・展示するための資料館を備えた市立図書館の建設計画が大きく前進し、めでたく、昭和63年11月3日に野田宇太郎文学資料館・小郡市立図書館が開館しました。

 野田宇太郎の文学に対する想いを受け継ぎ、後世に伝えていこうと発足した、野田宇太郎顕彰会(事務局:市立図書館)では、毎年10月、野田の誕生日に近い日曜日に、「野田宇太郎生誕祭」を開催しています。

 生誕祭は、野田宇太郎の生家があった松崎の「水鳥」詩碑前で行われます。地元松崎や野田に縁のある人、詩の愛好家などが集い、野田が作詞した詩や校歌を歌って野田宇太郎を偲びます。この小さな詩の祭典の目玉は、献詩の朗読です。

 献詩とは、野田宇太郎生誕祭で野田に捧げる詩のことで、毎年、6月1日から募集をしています。応募作品は福岡県詩人会に審査をお願いし、入賞した詩は生誕祭で表彰され、一席に選ばれた詩は、詩を作ったご本人によって朗読されます。

 今年は、去る9月14日(金)に審査が行われました。
全国から寄せられた作品は、小学生の部763点、中学生の部745点、一般の部225点の計1,733点。4人の審査員が1日をかけて全ての詩に目を通し、入賞作品を決定します。集中してたくさんの詩をよむ、楽しくもたいへんな作業です。

 こうして選ばれた入賞作品は、各部門10作品(小学生、中学生の部のみ、佳作10作品が選ばれます)。「献詩入選詩集」として、生誕祭にあわせ発行します。

 小学生から90代までの詩人たちがつくった素敵な詩を味わいに、野田宇太郎生誕祭へお出かけになりませんか。
きっと、あなたの心に深くしみる言葉が見つかります。今年の野田宇太郎生誕祭は、ちょうど野田の誕生日、10月28日(日)開催です。

 また、野田宇太郎文学資料館展示室では、企画展「野田宇太郎と博物館明治村」が始まりました(12月23日まで)。現在、作家阿川佐和子さんが村長を務める博物館明治村(愛知県犬山市)と野田宇太郎がどのような関わりがあるのか、ぜひ足を運んでご覧ください。

 今年の秋の読書週間(10月27日~11月9日)の標語は「ホッと一息 本と一息」。

 ふれあい広場の木々も、少しずつ秋の装いにかわる季節です。あなたの秋を探しに、図書館へお越しください。

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(献詩審査の様子)